マルチーズやヨークシャーテリア、シーズー、ペキニーズといった長毛犬種のトリミング頻度は、基本的には月1回〜1.5ヶ月に1回が目安です。
犬種によって毛質や伸びるスピードが違うので、この記事ではひとつずつ丁寧に見ていきますね。
初めて長毛犬種をお迎えした方だと、「うちの子っていつトリミングに連れて行けばいいの?」「犬種によって頻度は違うの?」と迷ってしまうこと、多いと思います。
今回は、マルチーズ・ヨークシャーテリア・シーズー・ペキニーズという人気の長毛犬種を中心に、それぞれの毛質の違いや適切な頻度、季節による調整のコツまでまとめてお届けします。
長毛犬種にトリミングが必要な理由とは?
そもそもなぜ長毛犬種にはトリミングが欠かせないのでしょうか。
答えはシンプルで、毛が伸び続ける犬種だからです。
マルチーズやヨークシャーテリア、シーズー、ペキニーズはいずれも毛が生え変わる「換毛期」がほとんどなく、放っておくとどんどん毛が伸びていきます。
見た目を整えるという目的はもちろんですが、それ以上に大切なのが健康面の理由です。
毛が伸びすぎると毛玉ができやすくなり、皮膚に汚れや湿気がこもって皮膚病や寄生虫のリスクが高まってしまいます。
目の周りの毛が伸びれば角膜を傷つけてしまうこともありますし、足裏の毛が伸びればフローリングで滑って転倒・怪我につながることもあるんですね。
つまりトリミングは「可愛くするため」だけでなく、「愛犬の体を守るため」の大切なケアだと考えてみてください。
こうした頻度の目安は、多くの動物病院やトリミングサロンが案内している一般的な基準であり、絶対的なルールではありません。
愛犬の毛質や体質によって差が出るものなので、気になる場合はかかりつけの獣医師や担当トリマーに一度相談してみるのが確実です。
マルチーズ・ヨークシャーテリア・シーズー・ペキニーズの犬種別トリミング頻度は?
ここが今回いちばん知りたいポイントですよね。犬種ごとの目安頻度を、わかりやすく比較表にまとめてみました。
| 犬種 | 被毛の特徴 | トリミング頻度の目安 |
|---|---|---|
| マルチーズ | シングルコート・シルキーコート | 3〜4週間に1回 |
| ヨークシャーテリア | シングルコート・絹のような細い毛質 | 4〜6週間に1回(スタイルにより変動) |
| シーズー | ダブルコート・フルコート | 3〜5週間に1回 |
| ペキニーズ | ダブルコート・豊かな飾り毛 | 4〜6週間に1回 |
それぞれ毛質や飾り毛の量が違うので、犬種ごとにもう少し詳しく見ていきますね。
マルチーズの毛質とトリミング頻度
マルチーズはシングルコートで毛が細く、絹のようにサラサラした被毛が特徴です。
換毛がほとんどないぶん毛の伸びるスピードが速く、油断すると毛先が絡まりやすいので、3〜4週間に1回のペースでのトリミングをすすめるサロンが多い印象です。
顔まわりの飾り毛が長く伸びやすい犬種でもあるため、目の周りだけ短めに整えてもらうという相談をする飼い主さんも少なくありません。
ヨークシャーテリアの毛質とトリミング頻度
ヨークシャーテリアも同じくシングルコートですが、マルチーズよりもさらに細く絹糸のような毛質を持っています。
短めのパピーカットであれば4〜6週間に1回程度で十分ですが、長く伸ばしたロングスタイルを楽しみたい場合は、毛先の傷みや絡まりを防ぐために3週間〜1ヶ月に1回とこまめにカウンセリングを受けるケースもあります。
つまりヨークシャーテリアは、他の犬種以上に「どんなスタイルを目指すか」で頻度が大きく変わりやすい犬種だといえますね。
シーズーの毛質とトリミング頻度
シーズーはダブルコートで、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の両方を持つフルコートの犬種です。
毛量が多くふわふわしているぶん、毛玉になりやすく、蒸れによる皮膚トラブルも起こりやすいため、3〜5週間に1回程度のペースが安心とされています。
顔まわりの毛が目にかかりやすいので、視界を確保するためにも定期的なカットが欠かせません。
ペキニーズの毛質とトリミング頻度
ペキニーズもダブルコートで、首まわりのたてがみのような飾り毛と、豊かな尻尾の毛が特徴的な犬種です。
被毛量がかなり多いため毛玉になりやすく、こまめなブラッシングと合わせて4〜6週間に1回程度を目安に考えるとよいでしょう。
短頭種(鼻ぺちゃ犬種)でもあるため、顔まわりのカットは呼吸のしやすさにも関わってくる部分です。トリマーさんと相談しながら、少し余裕を持たせたカットにしてもらうと安心です。
筆者自身、ペットケア施設の現場でこの4犬種のトリミングに数多く立ち会ってきましたが、実際の間隔はカットの長さやライフスタイル、季節によって前後することがほとんどです。
大切なのは、この頻度はあくまで「目安」だということ。担当のトリマーさんと相談しながら、愛犬に合ったペースを見つけていくのがいちばんです。

子犬はいつからトリミングを受けられる?
「うちの子、いつからサロンデビューさせていいの?」というのも、多くの飼い主さんが抱く疑問ですよね。
トリミングを始められるかどうかのポイントは、月齢そのものよりも狂犬病ワクチンと混合ワクチンの接種が完了しているかどうかにあります。
一般的には、ワクチン接種が完了する生後3ヶ月ごろが目安とされていて、多くのサロンでは接種完了後1〜2週間ほど経ってからの受け入れとしています。
サロンごとに「生後何ヶ月以降」「接種後何週間後」といった独自の基準を設けていることが多いので、事前に確認しておくと安心です。ワクチン接種証明書の提示が必要な場合もありますよ。
子犬の時期はまだ免疫力が弱く、慣れない環境や他の犬との接触でストレスを感じやすい時期でもあります。
そのため、子犬のうちは自宅でのブラッシング習慣をつけることを優先しましょう。
サロンを選ぶ際は、衛生管理がしっかりしているか、自宅から近いかといった点も意識して選んであげてくださいね。
また、子犬の時期は必要以上に短いカットは避けるのがおすすめです。毛には体温調節の役割もあるため、免疫力や体力がまだ十分でない子犬にとっては、短くしすぎることが負担になる場合があります。
季節によってトリミング頻度は変えるべき?
トリミングの頻度は、年間を通して一定である必要はありません。
季節に合わせて間隔を調整するのも、快適に過ごしてもらうための大切なコツです。
夏場は毛が長いままだと蒸れやすく、皮膚トラブルや熱中症のリスクが高まるため、トリミングの間隔を少し短くして毛量を整える方が多いです。
反対に冬場は、被毛が体温を保つ役割を果たしてくれるので、少し長めの間隔をとって毛を残してあげるのが安心です。
ただし、短くしすぎるのも注意が必要です。バリカンで極端に短くカットすると、紫外線や外気の刺激から皮膚を守れなくなったり、毛質が変化してしまったりするリスクもあるといわれています。
サマーカットにする場合も、「涼しくなるように見える」だけで、実際に犬自身が涼しく感じるわけではないという点は覚えておきたいですね。
湿度が高い時期は被毛が絡みやすくなるため、シーズーやペキニーズのようなダブルコートの犬種は特に、ブラッシングの頻度を普段より少し増やしてあげると毛玉予防につながります。
トリミングと合わせて大切な自宅ケアとは?
トリミングサロンでのケアと同じくらい大切なのが、自宅での日常的なグルーミングです。
トリミングが3〜6週間に1回程度のペースだとしても、毛玉や皮膚トラブルを防ぐには毎日のブラッシングが欠かせません。
マルチーズやヨークシャーテリアのように毛が細くて絡まりやすい犬種は、できれば毎日、少なくとも週に2〜3回はブラッシングをしてあげたいところです。
特に耳の後ろや脚の付け根、耳の裏側は毛玉になりやすい部位なので、念入りにチェックしてあげましょう。
散歩や食後には、口まわりや足先をホットタオルで拭いてあげるのもおすすめです。
口周りの毛が長いカットスタイルは特に汚れがつきやすいので、こまめな拭き取りで清潔を保ってあげてくださいね。
毛玉ができてしまった状態でサロンに行くと、追加料金が発生してしまうケースがほとんどです。日頃のブラッシングは、愛犬の負担を減らすだけでなく、トリミング費用の面でもメリットがあるといえますね。
シャンプーの頻度はどれくらいが目安?
トリミングとは別に、自宅や部分的なシャンプーの頻度も気になるところですよね。
皮脂の分泌が多めな犬種は、月に1〜2回程度を目安にするとよいとされています。
洗いすぎるとかえって皮膚や被毛への負担になることもあるので、獣医師やトリマーさんから個別の指示がある場合はそちらを優先してあげましょう。
散歩後の足先だけを軽く洗うなど、全身シャンプーとは別に部分洗いを組み合わせている飼い主さんも多い印象です。
トリミングのオーダーで失敗しないためのポイント
せっかくトリミングをお願いするなら、イメージ通りの仕上がりにしたいですよね。
ここで意外と見落とされがちなのが、オーダーの伝え方です。
「短めで」「軽めに」といった曖昧な言葉だけでは、飼い主さんの思う長さとトリマーさんの思う長さにズレが生じやすくなります。
できるだけ希望のカットスタイルの画像を数枚持参して、「耳のあたりは今より1cmほど短く」など、具体的な言葉で伝えるのがおすすめです。
反対に「これだけは避けてほしい」というスタイルがあれば、カウンセリングの段階でしっかり伝えておくと安心です。
愛犬の毛質や顔立ちに合わせてアドバイスをくれるトリマーさんを見つけられると、トリミングの時間そのものがより安心なものになっていきますよ。

私が考える、長毛犬種のトリミング頻度との付き合い方
ここからは少し私見も交えてお伝えしますね。
筆者はペットケア施設で長年にわたり実務に携わり、マルチーズやヨークシャーテリアをはじめとする長毛犬種のトリミングやケアに数多く関わってきました。
特にトリミング担当スタッフのサポートに入っていた時期は、月に何十頭という長毛犬種のカットに立ち会う機会があり、同じ犬種でも仕上がりの好みや毛質の個体差が驚くほど大きいことを肌で感じてきました。
そうした現場での経験を踏まえて感じるのは、「頻度の目安」はあくまでスタート地点にすぎないということです。
同じマルチーズでも、毛の伸びるスピードや毛質、生活環境(室内の湿度やお散歩の頻度など)によって、最適なペースは少しずつ違ってきます。
ですので、月1回や1〜1.5ヶ月に1回という目安を絶対のルールとして守るというよりも、「愛犬の毛の状態を観察しながら微調整していく」という向き合い方の方が、長い目で見ると愛犬にとっても飼い主さんにとってもストレスが少ないのではないかと個人的には考えています。
また、頻度を考えるうえで料金や時間だけでなく「愛犬がサロンでの時間をどう感じているか」という視点も大切にしてほしいと筆者としては思っています。
頻度が高すぎて負担になっていないか、逆に間隔が空きすぎて毛玉や皮膚トラブルが起きていないか。これは飼い主さんにしか気づけないサインです。
現場で飼い主さんからよく相談を受けたのは、「テディベアカット」や「サマーカット」など、個性的なスタイルを希望される方が年々増えているという実感です。
一方で、可愛らしい仕上がりを優先するあまり短くしすぎてしまい、皮膚トラブルにつながってしまったケースに立ち会ったこともあります。
こうした経験から、見た目のスタイルだけでなく「健康を守るためのトリミング」という本来の目的を忘れずにいることが、これからも変わらず大切なポイントになっていくはずだと考えています。
なお、料金相場については地域やサロンによって幅が大きく、ここで具体的な金額を断定することは避けますが、毛玉がひどい状態で持ち込むと追加料金がかかりやすいという点は、多くのサロンに共通する傾向として覚えておいてよいでしょう。
まとめ
マルチーズ・ヨークシャーテリア・シーズー・ペキニーズといった長毛犬種のトリミング頻度は、おおむね月1回〜1.5ヶ月に1回が目安です。
犬種や毛質、カットスタイル、季節によって微調整しながら、担当のトリマーさんと相談して愛犬に合ったペースを見つけてあげてください。
トリミングと合わせて、毎日のブラッシングなど自宅でのグルーミングを続けることが、毛玉や皮膚トラブルを防ぐいちばんの近道です。
愛犬の被毛の状態をこまめにチェックしながら、快適で清潔な毎日を一緒に過ごしていきましょう。
よくある質問
子犬のトリミングはいつから受けられますか?
狂犬病・混合ワクチンの接種が完了し、1〜2週間程度が経過してからが目安です。サロンによって基準が異なるため、事前の確認をおすすめします。
長毛犬種は毎月トリミングしないとダメですか?
必ずしも毎月でなくても構いませんが、毛玉や皮膚トラブルを防ぐためには3〜6週間に1回程度を目安にすると安心です。間隔が空く場合は、その分ブラッシングの頻度を増やして毛玉予防を心がけましょう。
夏と冬でトリミングの頻度は変えるべきですか?
はい、季節に合わせて調整するのがおすすめです。夏場は蒸れや熱中症対策として間隔を短めに、冬場は防寒のためやや長めの間隔をとる飼い主さんが多いです。ただし短くしすぎると皮膚への負担になることもあるため、トリマーさんと相談しながら決めましょう。

